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ＦＳＪ 通信 |
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号外３４５ ２０１３年３月２１日 |
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※日本ジャーナリスト会議の機関紙「ジャーナリスト」に連載している筆者のコラム「大野晃のスポーツコラム」から２０１３年３月号（２０１３年３月２５日発行）掲載予定の原稿を参考にしていただくため転載致します。 大野 晃 |
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◇まやかしの政治宣伝を扇動◇ ３月初め、２０２０年夏季五輪開催立候補都市の国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）調査団が東京を訪れた。 招致委員会はメダリストを特訓して説明役に仕立て、調査団の施設視察などでは子どもや芸者さんまで動員して「おもてなし」を繰り返した。 委員への接待、買収工作に神経をとがらせるＩＯＣを逆なでする時代錯誤ぶりで、ＩＯＣ選手委員選挙で室伏広治さんが選挙違反に問われたことと同様に、ＩＯＣの動向を理解しようとしない国際性欠如を露呈した。 世界が注目する原発事故の放射能汚染や東日本大震災からの「復興」は封印し、「選手第一を訴えることができて成功」と自画自賛するありさま。 マスメディアは、安倍首相が１９６４年東京五輪の愛唱歌を歌い出したり、猪瀬都知事が下手なテニスを見せたりするのを「オールジャパン」の招致姿勢と持ち上げるのに懸命で、この期に及んで「世界一コンパクトな開催計画」などと、にわか説明に大わらわ。 しかも財界あげての支援を訴えた張・トヨタ自動車会長が日本体育協会会長でもあることにはまったく触れず、財界代表とだけ紹介する作為まで。 ＩＯＣ調査の目的は開催計画の実現性や実態を調べることにあった。 これに対し身勝手な宣伝に終始したのは、開催地競争で勝ち目がないから、この機会に国内向けの国民一体化キャンペーンを狙ったとしか思えない。 まやかしの宣伝に競技者を利用した五輪の政治利用であり、マスメディアは国際的分析を回避して扇動した。 ＩＯＣ調査で全国の支持率が６７％に上昇したと報じられたが、自社調査で８３％の支持とした読売新聞は１６％もの誤差に沈黙。 東京での支持率７０％が強調されたが、ライバル２都市の昨年の調査結果を下回り、ようやく立候補の最低条件を満たしたに過ぎない。 マスメディアは、侵略戦争を先導した犯罪的な姿をよみがえらせたかのようだった。 ２０１３年３月１２日記 |
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