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ＦＳ Ｊ 通信 |
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号外２７６ ２０１０年６月２４日 |
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※日本ジャーナリスト会議の機関紙「ジャーナリスト」に連載している筆者のコラム「大野晃のスポーツコラム」から２０１０年６月号（２０１０年６月２５日発行）の原稿を参考にしていただくため転載致します。 大野 晃 |
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◇力士をヤクザに育てた？◇ 警視庁などの調べで、大相撲の大関・琴光喜が暴力団の関与する野球賭博に手を出して、恐喝されていたことがわかった。 日本相撲協会が調査したら、出るわ出るわ、さらに６４人もの大相撲関係者が賭博に関わったと自己申告したという。 野球賭博が２８人で、花札賭博、賭けゴルフが３６人。 まるでヤクザ世界のようだ。 野球賭博は暴力団の資金源であり、仲間内の賭け事とはわけが違う。 報道によれば、大関・把瑠都の昇進祝賀会で、横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長（元日本経済新聞社社長）が「（横綱昇進争いは）ある意味、賭けの対象」などと言い出すありさまで、大相撲と賭博は切っても切れない関係なのか。 親方の手配で、暴力団組長が本場所の特別席でこれ見よがしに観戦し、親方が降格処分されたばかりである。 こうなると一部の不祥事とか社会常識のない大相撲の甘い体質などと当たり障りのない批判ではすまされまい。 大相撲と反社会的な暴力団の深いつながりを疑わせる事態である。 かつては地方巡業興行を暴力団が仕切っていたが、警察の取り締まりなどで今では直接的な関与はほとんどないと言われる。 しかし興行の裏支援や力士の後援者である「たにまち」との関係でつながりは切れず、高額の祝儀が振舞われれば誰からでも「ごっつあん」と受け取る体質は変わっていないようだ。 しかも、力士経験者だけで運営する極めて自主的な日本相撲協会が、警視庁や文科省の圧力であたふたと「臭いものにはふた」へと動き出す。 琴光喜は自粛の名古屋場所休場で他は厳重注意。 あとはお役人におまかせだ。 自民党政府は、大相撲を「国技」とし、国技館建設などに特別の補助をしてきた。 財界人の多くが後援者となっている。 テレビ中継を独占するＮＨＫなどマスメディアも大きな支援者で、トップが横綱審議会に参画する。 政財界とマスメディアが、力士をヤクザに育てたのではないか。 ２０１０年６月１６日記 |
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