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◇３強軸に伯仲の王座争いへ◇
トップリーグのプレーオフトーナメントが始まった。
準決勝からは第58回日本選手権を兼ね、実力日本一が決まる。
リーグ戦では、レッドカンファレンスでサントリーが７戦全勝。
ホワイト同はパナソニックと神戸製鋼がともに譲らず６勝１分け。
無敗の３強を軸に、実力伯仲の王座争いになりそうだ。
サントリーは、トヨタ自動車に後半４１分にＳＯボーデン・バレットの決勝ＰＧで３点差勝利し、クボタにも後半３８分にバレットの決勝トライで勝ち切り、他は圧勝の連続で勝ち点３４。
高い展開力でリスクを恐れぬ速いパス回しを続け、決定力に富んでいた。
バレットが１２８得点で得点王に輝き、ＷＴＢテビタ・リーが１０トライで最多トライゲッターとなるなど計６０トライの高い得点力を誇った。
パワフルで機動力豊かなＦＷがボール奪取に強く、バレットの積極リードでバックスが走り続け、ＣＴＢサム・ケレビの突破力が弾みをつけた。
好防御で失点も少なく、バレットが窮地を救った。
パナソニックは、堅い防御から一気の逆襲でトライに結びつけるスピーディーな攻防に威力があった。
総失点７６は群を抜く少なさで、素早く集中する防御でマイペースに持ち込むと、ミスの少ない一体の展開力で圧倒した。
勢いに乗っていたＮＴＴドコモを抑え込み、ライバルの神戸製鋼とは、雨中戦で苦しんだが、好機を着実に生かし、引き分けに持ち込んだ。
スキがなく、戦力の充実ぶりが際立って、若手が力をつけた。
神戸製鋼は、勝負強さが光った。
パナソニックにはリードを守り切れず引き分けたが、リコーに押し込まれながら終盤の逆転ＰＧで１点差勝ちし、ＮＴＴドコモには後半のロスタイムに劇的逆転トライで２点差勝ちと、パワーに押されて苦戦しても、あわてず勝ち切った。
鋭い機動力のＦＷが仕掛けて、攻撃のリズムをつかむと一気にたたみかけた。
攻撃力のサントリー、攻防に安定したパナソニック、競り合いにしぶとい神戸製鋼と、三者三様の強さだが、共通してＦＷの着実なボール奪取と決定力のあるバックスで、素早い防御から一気の逆襲を確実につなぐスピードプレーの連続が特徴で、国際的なトップレベルの攻防を示した。
トヨタ自動車は、サントリーに惜しくも敗れたが、クボタには後半ロスタイムの逆転で１点差勝ちするなど３強に劣らない総合力を示し、着実で力強いＦＷが支えた。
ＮＴＴドコモは波があったが、ＳＨのＴＪ・ペレナラが引っ張り、パナソニックや神戸製鋼に迫る力に躍進し、強力ＦＷでサントリーやトヨタ自動車を苦しめたクボタと並び、王座争いに食い込む勢いを見せた。
ＮＴＴコム、リコー、キャノンは防御に甘さを残し、やや決定力不足だったが、バランスの取れた戦力で五分に近い星を残した。
東芝、ヤマハ発動機は、パワーダウンで伸び悩み、ＮＥＣは１勝もできず勝ち点１に沈んだ。
日野に新型コロナウイルス感染症の陽性者が出て対キャノン戦１試合が中止となり、コロナ禍は影を落とした。
２０２１年の日本代表候補５２人が発表され、代表出場経験のない２１人の若い力が選ばれた。
トーナメント戦は、流れをつかむ試合運びがカギを握り、波乱含みのスピーディーで厳しい争いになるだろう。
防御の徹底が左右しそうだ。
第２２回全国高校選抜大会は、東福岡（福岡）が黄金期のパワフルでスピーディーな攻撃力を復活させ、４連覇目指した第１００回全国大会王者の桐蔭学園（神奈川）を圧倒して、４大会ぶり６回目の優勝を飾った。
決勝は、個人パワーに富んだ東福岡に圧倒されながらも、桐蔭学園がスピーディーな攻撃で対抗し、高いレベルの攻防を繰り広げた。
欧州６カ国対抗戦は、ウェールズ代表を劇的逆転で破ったフランス代表が、延期再試合でスコットランド代表に劇的逆転負けし、ウェールズ代表が４勝１敗で、２年ぶり６回目の優勝に輝いた。
２連覇狙ったイングランド代表は、２勝３敗で、３年ぶりに５位に転落した。
２０２１年４月１６日記
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