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◇ＮＺの高速進撃が止まらない◇
ニュージーランド代表オールブラックスの高速進撃が止まらない。
ラグビー母国・イングランド代表の堅実な闘いに、勢いがついた。
第９回ワールドカップ（Ｗ杯）は、１９日に、王座争いの決勝トーナメントが始まった。
準々決勝第１試合は、午後４時１５分から大分市の大分スポーツ公園総合競技場に、３万６９５４人の観衆を集め、一次リーグＣ組１位のイングランド代表と同Ｄ組２位の豪州代表が争い、イングランド代表が、４０―１６と圧勝して、ベスト４による準決勝に進出した。
イングランド代表は、４トライ、４ゴール、４ＰＧを奪い、豪州代表を１トライ、１ゴール、３ＰＧに抑え込んだ。
４回ぶり２回目の優勝を目指すイングランド代表のＷ杯ベスト４以上は、第６回以来、３回ぶり５回目。
両代表の通算対戦成績は、イングランド代表が、７連勝で、２５勝１分け２４敗と勝ち越し、Ｗ杯でも、前回一次リーグで敗れた雪辱を果たして、４勝３敗と勝ち越した。
第２試合は、午後７時１５分から東京・調布市の東京スタジアムに４万８６５６人の観衆を集め、同Ｂ組１位のニュージーランド代表と同Ａ組２位のアイルランド代表が争い、ニュージーランド代表が、４６―１４と圧勝し、ベスト４による準決勝に進出した。
ニュージーランド代表は、７トライ、４ゴール、１ＰＧを奪い、アイルランド代表を、認定トライを含む２トライ、１ゴールに抑えた。
３回連続４回目の王座狙うニュージーランド代表のＷ杯ベスト４以上は、３回連続８回目で、３連覇へ前進した。
両代表の通算対戦成績は、ニュージーランド代表が、３年ぶりの勝利で、２９勝１分け２敗とし、Ｗ杯では、２勝０敗。
イングランド代表とニュージーランド代表は、２６日午後５時から、横浜国際総合競技場で、決勝進出をかけて対決する。
ニュージーランド代表の高速スピード攻撃は、とどめようがない。
防御には自信を持っていたアイルランド代表が、振り回されて、届かなかった。
しかも、ニュージーランド代表の防御は、速く、深く、鋭い。
結束パワー攻撃が自慢のアイルランド代表とはいえ、試合の終盤までは、壁に当たって、はね返されるばかりだった。
試合前の練習から気合の入っていたニュージーランド代表は、前半立ち上がりから積極的に攻め、５分に、ＳＯモウンガのＰＧで先行した。
アイルランド代表が、縦突進で割ろうとするが、ニュージーランド代表の防御は揺るがず、アイルランド代表のミスが多くなった。
ニュージーランド代表は、モウンガとＦＢのＢ・バレット兄によるダブルＳＯで展開攻撃を仕掛け続け、強力ＦＷが縦突進を連続してゴールへ押し込み、１３分にＳＨのＡ・スミスがトライを奪った。
バックスが横に展開して、ＦＷが縦を突く、そのスピーディーな連続に、アイルランド代表は、受けるばかりで、防御の足が出ない。
アイルランド代表ＳＯセクストンが、ゴール前のＰＫタッチキックによるラインアウトを狙って、超ロングキックをライン際に放つと、ニュージーランド代表は、タッチからボールを後方の内側に、はたき出し、ボールを取ったバックスがカウンター・キックする防御の離れ業も見せる。
１９分には、ラインアウトから、モウンガの速いパスから、ＳＯ位置に入ったＢ・バレット兄の好パスを受けたＷＴＢリースがクロスして、速いパス。
受けたＷＴＢブリッジがゴール前へ運び、ラックからＡ・スミスが２つ目の連続トライした。
これまた、ダブルＳＯの一連の高速パスプレーと一気のトライだった。
モウンガのゴールは正確で、ニュージーランド代表は、さながら攻防のショーを見せるように、１７―０とリードを広げた。
アイルランド代表も、反撃して抜いて出ようとするのだが、ラックでターンオーバーされるなど圧倒されっ放しで、ニュージーランド代表は、これでもか、これでもかと、しっかりボールを確保しながら多彩な攻撃を連続し、アイルランド代表は、ボールが取れない。
３１分には、リースの激しいタックルを受けて、セクストンがボールをこぼすと足で引っかけ、快足Ｂ・バレット兄がドリブルでゴールへ運んでトライ。
リースのタックルが肩からの危険なタックルに見えたため、ＴＶビデオ判定となったが、問題なし。
タックル・ターンオーバーのトライで、ニュージーランド代表が、２２―０にリードを広げた。
ニュージーランド代表は、攻撃を仕掛けると全員が前へ出て、素早く、つなごうとするから、その圧力で、アイルランド代表の防御が、押されっ放しになってしまう。
二ュージーランド代表のスピード豊かな全員攻撃が生きていた。
それでも、アイルランド代表は、４１分から、ＰＫタッチキックのラインアウトからのモールの押し込みを繰り返したが、ニュージーランド代表が押し返し、パワー攻撃にも強いところを見せた。
後半も、ニュージーランド代表の縦横の攻めが続き、７分に縦突進の連続から、ＮＯ８リード主将が倒されながらのオフロードパスで、ＨＯテーラーがトライを奪った。
モウンガがゴールを決めて、２９―０の大量リードで、ニュージーランド代表が勝利を握った。
Ｂ・バレット兄は、珍しくハイパントを上げたかと思うや、超スピードで自らボールを奪ってゴロキックで抜く個人技も見せた。
スクラムで優位に立って、大きな展開からの縦突進の連続と堅い防御からの逆襲を続けるニュージーランド代表は、２０分にラインアウトから、強力にモールを押し込み、モウンガのパスキックでリースが突破したラックから、交代ＬＯトッドがトライを奪った。
アイルランド代表が一矢を報いたのは、ようやく２８分になってから。
展開してゴール前へ迫り、スクラムからＣＴＢヘンショーが突進トライした。
しかし、取られたら取り返すのがニュージーランド代表。
３２分にラックからＦＬのＡ・サベアがボールを持ち出し、オフロードパスで交代ＰＲコールズがつなぎ、さらにオフロードパスでブリッジがトライした。
アイルランド代表が、３５分にＰＫタッチキックのラインアウトからモールを押し込み、突進押し込みでゴールに飛び込むと、トッドが反則タックルでシンビンとなり、認定トライを奪ったが、ニュージーランド代表は、１人少ない１４人でも、３８分に、ゴール前スクラムからのロングパスで交代ＷＴＢのＪ・バレット弟がトライを加え、圧倒的な強さ、速さで、アイルランド代表を突き放した。
先立つ試合で、イングランド代表は、堅い防御で、豪州代表のミスを突き、着実にトライを重ねて、スキのない強さを見せた。
前半は、１１分にＳＯリアリーファノのＰＧで豪州代表が先行したが、イングランド代表は、１７分に、ラインアウトからの大きな展開揺さぶりで、ＦＬのＴ・カリーが突破し、オフロードパスを受けたＷＴＢメイが逆転トライを奪った。
２０分には、速い攻めに出た豪州代表のＦＬポーコックの浮きパスをＣＴＢスレードがインタセプトし、ゴロキックで抜いて、ボールを取ったメイが２つ目の連続トライで、１４―３とリードを広げた。
２５分にリアリーファノが２つ目のＰＧを決めると、イングランド代表は、２９分にＳＯファレル主将がＰＧを決め、豪州代表の反撃を好防御で抑えて、ミス多発に追い込み、４０分にリアリーファノが３つ目のＰＧしたが、１７―９とリードを保った。
後半２分に、豪州代表のＷＴＢコロイベティが好走、好ステップで独走トライし、１点差に迫ったが、イングランド代表は、５分にラックから展開し、ＰＲシンクラーがトライして、ファレルのゴールで２４―１６とリードを広げた。
１０分にファレルがＰＧを決め、２７―１６と１１点差にリードを固めるなど、イングランド代表のそつのない試合巧者ぶり。
豪州代表が、ＰＫタッチキックのラインアウトからサイドを突くなど反撃するが、イングランド代表の防御は揺るがない。
２５分、３２分にファレルが２連続ＰＧを決め、守りながら３３―１６と１７点差までリードを広げて、勝利を握った。
そして３５分に、豪州代表ＦＢビールのロングパスをＷＴＢワトソンがインタセプトしてトライを加え、余裕を持って、豪州代表を突き放した。
南北の両雄が対決する準決勝は、高速攻撃のニュージーランド代表を、堅い防御のイングランド代表がどう抑えるかに、注目が集まる。
２０１９年１０月２０日記
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