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◇代表強化の継続性に懸念◇
サンウルブズが７連敗し、迷路に入り込んだようだ。
第４戦の対ライオンズ戦こそ２点差の惜敗だったが、大敗が少なくない。
防御ミスや防御崩壊が主な敗因となっている。
日本代表の強化を目標に、トップリーグの日程を短縮して臨んだ今シーズンのスーパーラグビーだったが、自ら崩れる試合が続いた。
日本代表は、昨秋のフランス遠征で、トンガ代表に圧勝し、フランス代表と引き分けて、攻撃的防御で相手の攻撃の手をしばりながら、セットプレーで健闘して、一気にマイペースの連続攻撃でトライに結びつける勝利の試合展開をつかみ取った。
今シーズンは、さらに一段レベルアップすることが目標だった。
豪州の強豪チームと同一グループに入ったサンウルブズは、プレースピードやパワーに富む相手との連戦で、個人能力やチームの結束力を飛躍させる好機だった。
初戦の対ブランビーズ戦の前半は攻撃的防御が徹底され、ラインアウトやスクラムからトライを奪い、意欲的なスタートだった。
しかし、その後半にキックミスなどから崩れ逆転負け。
第２戦からはセットプレーで圧倒され、防御が崩れて敗戦が続き、トライの取り合いとなった第４戦を契機に立ち直るかに思われたが、第５戦から防御崩壊が続いた。
第７戦の対ブルーズ戦では、前半は攻撃的防御でターンオーバーが多かったものの、攻め続けながらキック策のミスで１トライにとどまり、初戦以来のリードだったが、後半は防御ミスから逆転負けした。
サンウルブズの闘いぶりには、前へ素早く詰めて突進を阻止する防御は意識されているが、倒してボールを奪い取り、一気に逆襲する攻撃的防御が徹底できていない。
しかもタックルミスが多く、組織的な防御が崩れると建て直せない。
スクラムは安定感を欠き、ラインアウトではボールを確保するのが精一杯で、セットプレーが攻撃起点になることは極めて少なかった。
ケガ人が多く、メンバーが固定できず、コミュニケーション不足が重くのしかかった。
対戦相手ごとの課題が明確にされず、連戦で課題を克服しながら、力を充実させることにつながっていない。
戦術的にも、キック策の多用が攻撃ミスを招き、昨秋の到達点が意識されていない。
しかもメンバーは、外国出身者が大半となり、若い日本代表候補たちが、世界トップクラスに、もまれることはほとんどなくなった。
さらに、サンウルブズの転戦と並行して、日本代表候補の拡大を目指すナショナル・デベロップメント・スコッド（ＮＤＳ）のニュージーランド遠征に、サンウルブズ所属の日本代表クラスも参加し、スーパーラグビーチームの２軍に挑戦したことで、日本代表強化におけるサンウルブズの位置をあいまいにしている。
これでは、日本代表強化の継続性に懸念を生じて不思議はない。
来年のワールドカップ（Ｗ杯）一次リーグの相手であるアイルランドは欧州６カ国対抗で９年ぶりの全勝優勝を成し遂げ、世界ランク２位に上がった。
スコットランドは３位に浮上し、世界ランクも５位。
両者に敗れたイングランドが５位に沈んだ。
６月に来日するイタリアは、３年連続の最下位に終わったが、スコットランドに２点差の惜敗だった。
ジョージアは欧州選手権で安定した全勝優勝で、ともにスクラムを中心にＦＷ力を誇っている。
それでも、Ｗ杯ベスト８の目標や世界ランク上位からすれば、日本代表の３連勝が当然視される。
強化の実質が問われる。
シーズン最初の全国大会である全国高校選抜大会は、桐蔭学園（神奈川）が、確実につなぐスピーディーな連続攻撃で２年連続２回目の優勝を飾った。
パワフルで展開力の高い大阪桐蔭（大阪）、よみがえってきた天理（奈良）、パワー豊かな流経大柏（千葉）、そして再上昇中の東福岡（福岡）、来年正月に連覇狙う東海大仰星（大阪）などが追い、高校は激しい競り合いが続きそうだ。
２０１８年４月１６日記
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