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◇課題満載のトップリーグ開幕◇
例年より早く、１５回目のトップリーグが開幕し、２０１７年度シーズンがスタート。
２年後に迫った第９回ワールドカップ開催へ向け、日本代表の戦力充実などを大きな課題とするシーズンインである。
前回、４季ぶりに王座へ返り咲いたサントリーを軸に、惜しくも初優勝を逃したヤマハ発動機、２季ぶりの王座目指すパナソニック、
１４季ぶりの優勝狙う神戸製鋼がリードして、レベルの高い激しい優勝争いが期待される。
前回初めてベスト８から転落した東芝の巻き返しも注目だ。
トップリーグの総合順位戦が日本選手権を兼ねるため、文字通りの日本一決定戦となる。
１６チームがレッド、ホワイトの２組に別れての１回戦総当たりリーグ戦に加え、他組の６チームと交流戦を争って各組順位を決め、両組対決の総合順位戦で、最終順位が決まる新方式に、気の抜けない競り合いが続く。
順位に直接、影響する同一組の争いが、より激しくなるだろう。
各チームが新旧交代期にあり、サンウルブズで鍛えられた若い力や有力新人を加えて、個人能力に優れた日本代表候補群を生み出すことも重要だ。
長期の争いだから、ケガ人を覚悟しなければならないが、それだけ同一レベルの厚い選手層が不可欠であり、選手起用法もむずかしい。
前回までに、日本ラグビーの防御力の高さを実証してきたトップリーグだが、今回は攻撃的防御を支えに、多彩な攻撃力をどう生み出し、積み上げるかが喫緊の課題となる。
とりわけ、スクラム、ラインアウトなどのセットプレーを攻撃起点とした積極的な攻撃策や素早い連続攻撃の成熟が求められる。
速い展開でスピーディーなパスをつなぎながら、前へ前へと突き進む連続攻撃の正確さを高めることやキックパスやショートキック突破など戦術キックの工夫も必要だろう。
前に出て、確実に押し込むファーストタックルから素早い結束の密集支配で、意欲的な逆襲に一気に転ずる攻防の一瞬の切り替えがスリリングな魅力を高めるはずだ。
前回、確実な防御力を示したサントリーは、持ち前の攻撃的姿勢
を堅持して攻撃法に変化をつけられるか。
五郎丸がフランスから復帰して話題のヤマハ発動機は、強力なＦＷ力を一体のスピーディーな展開攻撃に結びつけられるか。
安定した攻防のパナソニックは、パワフルで素早い多彩な展開力をさらに高められるか。
戦力充実の神戸製鋼は、爆発的な攻撃力を発揮できるか。
トップを争うと見られる防御力の高いチームに共通して、攻撃力の飛躍が課題となっている。
実力が蓄えられている東芝は、パワフルな攻防の一体化を徹底すれば復活は十分に可能だろう。
まだ優勝はないが、南アフリカ代表を第６回ワールドカップ優勝に導いたホワイト新ヘッドコーチが指揮するトヨタ自動車、新興ながら確実に力をつけてきたＮＴＴコム、キャノン、名門・リコー、中堅のクボタなども王座争いに食い込む力を備えている。
２７都道府県３８会場に広がって、接戦の連続が予想される。
今回もアジア枠を除いて１５０人以上の有力外国出身者がそろい、各国代表経験者も４０人近い。
南アフリカ代表経験者が１４人と最多で、現役の代表も含まれる。
シーズンが深まって、外国出身者がチームに溶け込むとチーム力は一変しそうだ。
外国出身とはいえ、高校や大学の留学生出身が４０人近くとなり、日本国籍取得者も４０人近くいる。
日本育ちが戦力底上げを支えている。
関東、関西の大学対抗戦、リーグ戦は遅れて９月のスタートだが、全国大学選手権９連覇に走る帝京大に、どこがストップをかけるか。
日本選手権でトップリーグに挑戦する機会は失ったが、日本代表入りを目指す思い切りのいい、はつらつとした攻防の激突が楽しみだ。
世界トップを意識して高い目標を持ったシーズンが望まれる。
２０１７年８月１４日記
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