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大野晃のラグビー通信 |
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第１６９号 ２０１４年８月２２日 |
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◇東芝が開幕戦で快勝◇ ラグビーの２０１４年度第１２回トップリーグが、２０１４年８月２２日、開幕した。 厳しい残暑の東京・秩父宮ラグビー場では、ナイトゲームで、第１ステージＡ組が争われ、２連覇狙うパナソニックと５年ぶりの王座を目指す東芝がライバル対決。 前半はパナソニックが先制トライを奪うなど巧みな試合運びでリードしたが、得意のモール攻勢によるトライで同点に追いついた東芝が、３５分に縦突進の連続でパワートライを奪い逆転。 東芝が１７―１６と１点差リードして、後半も２連続トライでパナソニックを突き放し、３９―２６で快勝した。 両チームのトップリーグ、日本選手権などの通算対戦成績は、東芝の２年ぶり（６戦ぶり）勝利で２２勝２８敗。 東芝は、２０１３年度第５１回日本選手権決勝の雪辱を果たした。 猛暑の熱気が残る午後７時３０分に開始され、時折、強風が吹いたが、それが涼しさを感じさせるほどの暑いグラウンドでのライバル対決。 まだチームの組織的攻防に、詰めに甘さが残る開幕時だけに、実力伯仲の争いでは、勝利への意志が勝敗を左右する。 「この試合で負けたら今年もチャンピオンシップはないと気合が入った」と東芝の冨岡・新ヘッドコーチは力を込めた。 「相手の勝ちたいという意識がまさっていた」とはパナソニックの堀江主将。 言葉どおり、東芝は、得意のパワー突進攻撃を全開させて、かわそうとするパナソニックを受け身に立たせた。 前半立ち上がりは、パナソニックの上手さがリードする。 ２分にＳＯバーンズが抜いて出て東芝の反則を誘い、ＰＧを決めて先行。 １１分には、ＣＴＢピーターセンが突破して好パスで東芝の防御を振り回し、東芝のラック反則を誘って、ＳＨ田中がＰＫ速攻で展開を仕掛け、ピーターセンが先制トライした。 バーンズが、むずかしいゴールを決めて１０―０と一気にリードした。 それでも、激しい突進を繰り返す東芝は動じない。 スクラムでパナソニックに圧力をかけ、１５分にＳＨ小川がＰＧ。 １９分には、ＰＫタッチキックのラインアウトから得意のモール攻勢。 ゴールラインのラックから右端へ振り、ＷＴＢ大島が隅に飛び込んだ。 微妙な場面に、今回からトップリーグ全試合で初実施されることになったＴＶビデオ判定にゆだねられた。 結果はトライで、小川が隅から、むずかしいゴールを決め、同点とした。 東芝は、縦突進のパワー攻撃に勢いづく。 元オールブラックスのＣＴＢカフイが好キック、好突進を見せる。 それでも、かわしながらパナソニックは確実に攻める。 ２３分、３３分にバーンズが２連続ＰＧを決め、１６―１０とリードを広げた。 しかし、東芝の意欲はそがれない。 ３５分に、縦突進のパワフルな連続で、パナソニック防御をこじ開け、ＰＲ浅原がトライを奪い、小川のゴールで１７―１６と逆転に成功した。 後半も東芝は、勢いよく前に出る。 受けたパナソニックは、つなぎミスが重なってリズムを生み出せない。 １５分に東芝は、再びＰＫタッチキックのラインアウトからモール攻勢。 １１人モールの押し込みから、パナソニック防御を割って出て、さらにミニモールを押し込んでＦＬベイツがトライした。 さらに２０分には、短く横につなぎながらの縦突進の連続。 パナソニック防御にスキが生まれ、小川がダッシュよく抜いて出て、決定的なトライを奪った。 小川のゴールで、東芝が２９―１６と１３点差ものリード。 パナソニックが再逆転するには２トライが必要になった。 バーンズがＰＧすれば、小川もＰＧして、東芝は退かない。 ３１分に東芝は、ＦＬリーチがシンビンで１４人のピンチ。 パナソニックＦＷが、ＰＫタッチキックのラインアウトからのモール攻勢に意地をかけたが、東芝は押し返して、実らせない。 ３７分には、パナソニックの強引な攻めを、自陣ゴール前で粘りの防御。 パナソニックのパスミスをカットして、逆襲のつなぎから交代ＨＯ森がトライして意気込みの違いを見せつけ、小川のゴールで３９―１９と２０点差ものリードに広げた。 パナソニックは４０分に、連続攻撃でＣＴＢ林がトライし、バーンズのゴールで意地を見せるのが精一杯だった。 ともに、防御は上手く、つなぎミスが多発して、展開攻撃の応酬とはいかなかったが、実力接近の激戦リーグの幕開けらしいゲームだった。 東芝のリーチの突進をパナソニックのＮＯ８ホラニが激しいタックルで倒すなど日本代表候補同士の対決にも興趣があった。 バーンズ、ピーターセンとカフイの争いなど有力外国人同士の激突がレベルの高さも感じさせた。 ワールドカップ１年前のトップリーグは、さらに面白さを増しそうだ。 ２０１４年８月２２日記 |
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